障害年金の基礎知識

障害年金とは、病気やケガなどで、日常生活に支障があったり、今まで通りに働くことが難しくなった場合などに、一定の条件を満たしていれば支給を受けられる公的年金です。

手・足・目などのケガによる障害だけではなく、ガンや糖尿病、うつなどの精神病も対象になります。

センターでは、行政・医療機関と連携をとって、スムーズな対応をさせていただきます。


公的年金のしくみ

現在の公的年金は自営業者やサラリーマンの妻は加入している国民年金(基礎年金)とサラリーマン自身が加入する厚生年金等の2段階方式です。さらに厚生年金基金等が上乗せになっている方もおられます。自営業者の方は基礎年金だけですので、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金のいずれかを受け取れます。サラリーマンの方は基礎年金に加えて、老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金を組み合わせて受け取れます(組み合せはいろいろあります)。


障害年金の種類

公的年金としての障害年金は障害基礎年金・障害厚生年金・障害共済年金の3種類です。

初診日の時点で国民年金にのみ加入していた場合は障害基礎年金だけです。厚生年金や共済組合に加入していた場合は、国民年金にも加入していることになりますので、障害基礎年金と合わせて障害厚生年金や障害共済年金も同時に受給できます。(1.2級のみ)

初診日とは、初めて医師または歯科医師の診察を受けた日のことを指します。

  1. 初診日に自営業、サラリーマンの妻、学生など
    障害等級1.2級のみです。

    日本に住んでいる20歳から65歳までの人は、障害基礎年金が支給できます。(繰り上げ支給に注意)
  2. 初診日にサラリーマン
    障害等級1.2級なら障害基礎年金と障害厚生年金が支給
    さらに加給年金が支給される場合があります。
    障害等級3級なら障害厚生年金のみが支給されます。

また障害等級1~3級に該当しなかった場合でも、一時金として障害手当金が支給されるケースもあります。


障害基礎年金の支給額(平成25年度~)

障害基礎年金

子(※)の加算額

一人目・2人目の子 (1人につき)224,000円
3人目以降の子 (1人につき)74,600円

※18歳年度末(高校を卒業する年齢)までの子
※障害等級1級または2級の障害状態にある19歳までの子供


障害厚生年金の支給額(平成25年度~)

障害厚生年金の額は、厚生年金に加入していた期間や、その期間給与の額で金額が違ってきます。

2級の障害厚生年金の報酬比例年金の計算は、老齢厚生年金と同じ計算をします。

1級の障害厚生年金の報酬比例年金の額は、2級の1.25倍です。

若い人の場合、年金額が少なくなるので300日として計算する場合があります。

また、3級の場合には、年金が低くなりすぎないように最低保障額が設けられています。


1級 報酬比例の年金額×1.25+障害基礎年金1級(+配偶者がある場合は更に加算額)
2級 報酬比例の年金額+障害基礎年金2級(+配偶者がある場合は更に加算額)
3級 報酬比例の年金額(最低保障額 583,900円)
障害手当金(一時金) 報酬比例の年金額×2年分
配偶者の加算額 224,000円


障害年金支給要件

1.初診日要件

国民年金、厚生年金、共済年金へ加入していた期間中に、その障害の原因となった病気やケガを医師や歯科医師に診察してもらった日(初診日)があることです。

健康診断で異常がみつかった日などが初診日とみなされることもあります。

未成年の頃からの傷病により障害の状態になった場合などは、障害基礎年金の対象となります。

この「初診日」がいつかによって、支給されるのかと、金額はいくらになるかが決まります。

2.保険料納付の要件

初診日の前日において、初診日の属する月の、前々月までの期間の3分の2以上が、次のいずれかの条件に当てはまっている必要があります。

  • 保険料を納めた期間(会社員や公務員の配偶者だった期間も含む)
  • 保険料を免除されていた期間

上記の要件には当てはまらなくても、平成28年3月31日までに初診日がある場合は、初診日の前日に、その前々月までの1年間に保険料の違法な滞納がなければ要件を満たすことができます。

学生さんは必ず「保険料の免除申請」をして下さい。

20歳の方は保険料納付要件はありません。


3.障害認定日の要件

障害年金を受けられるかどうかは、障害認定日の障害状態にあるかどうかで判断されます。

障害認定日とは、初診日から1年6ヶ月が経過した日か、1年6か月が経過する前に症状が固定し、それ以上治療の効果が期待できない状態となった日のいずれか早い方の日です。

ただし、特例として以下の場合があり、1年6ヶ月との比較が早い方の日です。

  • 人工透析をしている場合・・・人工透析開始から3ヶ月を経過した日
  • 心臓ペースメーカーや人工弁を装着した場合・・・装着した日
  • 人工肛門や人工膀胱、人工関節を造設した場合・・・造設した日
  • 手足の切断の場合・・・切断された日
  • 脳梗塞、脳出血などによる肢体の障害の場合・・・初診日から6ヶ月以上経過し、医師が症状固定と判断した日

請求が遅れても最大5年遡って支給される場合があります。

障害認定日には障害等級に該当しなかった場合でも、65歳の誕生日の前々日までに症状が悪化して該当すれば、受給できます。(事後重症)この場合は遡及しては支給されません。